ここのえブログ

地に響くEARTH RESONANCE

第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その壱〉

2019/09/02

LIFE WITH NATURE

2019/09/02NEW

第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その壱〉

令和元年 8月31日~9月1日 第一回 戸隠もののけ祭り 成功終了!

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"心をひらき 突き抜けろ 天にも届くように"

もののけ祭り

いにしえの記憶。
大地は母。
大地の使いは蛇でありこれを はは と呼ぶ。

時の移ろいに
清らかなるものはその名を失い、
記憶は地をさまよいてやがて もののけ となる。

天は父。
母なる大地に立てる御柱は天からの父の依りしろ。
大地にそそり立つ岩座も男なる父の依りしろ。

土くれたる我らは、今宵御柱の元に集いて父を待つ。
父は風となり舞い降りる。
カラカラと鈴が鳴り、父の訪れを告げる。

地の胎動。
そして、鼓動。

名を忘れ迷いながら、不器用に命を運ぶ、
我らもののけ。

踊ろう。
本性を映す仮面で、作られた顔を隠し あるがままに。

そして発しよう。
我ら にんげん の唄を。 (もののけ祭り企画書 詩:Nao Haya)


広場に櫓が組まれ、人々がいそいそと、酒を、肴を持ち寄って来る。いつもより少しイキのいい服を着て、そして聞こえて来る、鉦の音、太鼓の響き―――地球上のあらゆる集落で、あらゆる時代に行われて来た、祭りという祝祭の時間。

その長い長いリストのしんがりに、ひょいと盆踊りの列に加わるようにして、もののけ祭りは今、名乗りを上げようとしている。

だけどその直前に、急に天邪鬼になって、立ち止まってみる時間も必要かも知れない。そもそも人は何故祭りを開くのか?

もののけ祭り総合演出腰塚光晃、腰塚が深く影響を受けた愛知県豊田市の祭り、橋の下世界音楽祭の永山愛樹と根本龍一、そして切腹ピストルズの飯田団紅。四人が祭りについて交わした対話から。

戸隠

団紅 戸隠って不思議な人が集まってくる場所で、この間、コッシーに連れて行ってもらった先で聞いた話だけど、或る時、Tシャツを着た男性が、手ぶらでふらっと戸隠の蕎麦屋に入って来たんだって。で、蕎麦食った後に、これから山に入るって言うから、ちょっとそこら辺を歩いて来るのかなって思うじゃない?手ぶらだし。そしたら、二週間後におなじTシャツのままぼっろぼろになって現れて、「終わりました」って。一体何をしてたのか。

腰塚 戸隠には、非常に最果て感がある。昔から修験道の地で、あそこの山を目指して人がやって来る。みんな、山の裏側には何があるんだろう?って思うんだよ。そこに櫓を立てて、自分がいいなと思うアーティストが乗っている、その絵が見たい。そういう単純な欲望がすべてのはじまり。

続く... (もののけ祭り当日配布2,000部限定パンフレット祭りかぶく現代)

会場は標高約1,300mの戸隠スキー場。

爽やかな風が気持ち良い時期に開催された第1回戸隠もののけ祭りは、数日間降り続いた雨が直前に嘘のように上がり、成功裏に終了しました。

戸隠もののけ祭りとは一体何だったのか?

濃厚な2日間を振り返りたいと思います。

人間の芸・音・造をベースに生の声の衝動が噴出するきっかけを与える時間・空間


参加アーティストは、日本の和芸能に留まらず、オリエンタル、アフリカ、カントリー、エスニック、プリミティブ、ブラックミュージック、ダンス、テクノ、ニューエイジ、アンビエント等を取り入れ、独自の世界観を突き詰めている点で一貫しており、"もののけ祭り"テイストと言わんばかりの形容し難くも、心地よく、どこか懐かしい空間が形成されていました。

これほど多様性に富んだアーティストが参加しているにも関わらず、統一感のある場が出来上がっていることに驚いた参加者は決して少なくなかったと思います。

それは、強いコンセプトを掲げていたからだと思います。

今なお信仰が息づく戸隠で、戸隠らしい祭り、地域の長い歴史に恥じない祭りにしようと総合プロデューサーの腰塚さんは常に気を配られていましたし、実行委員会のメンバーも成功を実現できるよう奔走しました。

実行委員として関わらせて頂いた私にとって、もののけ祭りとは、"世界各国の多様な伝統・文化を音楽を通じて触れ、ライフスタイルを見直す場" でした。

さらに言えば、心の奥深くに突き刺さり、内在の生の声の衝動が噴出するきっかけを与える時間・空間。

そんな印象でした。

ご参加なさった皆様はどのようにお感じになられたでしょうか。

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1日目は、アメノウズメの新月祭、2日目はアメノタヂカラオの太陽祭。

陰と陽、裏と表。

2日間通して参加された方は、きっと二極性が見事に統一されていく様を感じたことと思います。

アーティストの魂の声がやぐらから戸隠高原に響きわたる


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8.31 1日目 アメノウズメの新月祭

戸隠神社 祈願祭

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冒頭、祭りの安全な進行を願い、祝詞奏上を頂き、運営メンバーやアーティストが玉串を奉納しました。

源光士郎 武楽座

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"武道と伝統芸能のサムライアート"「武楽座(ぶがくざ)」の創始家元。静と動を行き来するパフォーマンスには圧倒され、盛大な拍手が送られていました。

東京月桃三味線×SARO(TAP DANCE

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三味線とタップダンスの異色のコラボレーション。普通は考えられない組合せですが、絶妙にマッチしていて、世界観に引き込まれました。

YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)

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プリミティブなVOICEは、まさに魂の奥底の叫びに通ずるような。リスナーを圧倒する世界観にノックダウンされた方も多かったのではないでしょうか。並々ならぬエネルギーでした。

佐藤健作(大太鼓)×法螺貝 大峯業者 宮下覚詮

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和太鼓に選ばれた男"の異名を持ち、個人所有世界最大級の大太鼓「不二(ふじ)」を打ち抜く圧倒的打法で、魂が一気に鷲掴みされました。凄い!の一言。戸隠連峰を背に、やぐらに乗った不二は、これ以上ないほどマッチしていました。

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地を鎮め、空を割き、大気動かす如き法螺貝の音色。修験者の法螺貝の音のパワーを初体験。地平線の彼方まで木霊しているかのようでした。

花柳凛 かぶき踊り「岩戸隠鈿女三番叟」

女の腕も、指も、腰も若木の枝のようになめらかにしなる。
すべての男たちを誘っているようでいて、ゆっくりと手首を返すその指先が唇の前で止まり、阿弥陀様が微笑まれたようでもある。
一体この女は何者だろう?
出雲から来たと名乗っているが・・

この女、
百年続いた戦国の世の幕切れに咲いた、金色の桜のような女の名を出雲の阿国という。
(もののけ祭り当日配布2,000部限定パンフレット祭りかぶく現代)

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「私は自分のためでなく、百年後のこの国のために踊ります」

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圧巻のステージでした。次元が変わった...そんな印象で、きちんとした言葉になりません。

女歌舞伎を復活された日本舞踊家の花柳凛さんの演舞を拝見でき、感謝いたします。

酔月(火舞)

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火の揺らぎはどうしてこれほどに心を豊かにするのでしょうか。

陽が沈み、Flame Performanceに見入り、気づけば20時過ぎ。ずっと炎の動きを見ながら、消えないことを願い、自分だけの時間を過ごしたいと思った人は多かったことでしょう。

精神集中を深めるテイストのバックミュージックが、この場の神秘性をグッと高めていました。

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夜も更ける頃、提灯が明るく輝いて。想いに共感し祭りを支える多くの人達。

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会場はinside(シャルマン)へ。

会場に入ってすぐに視界に飛び込むのは、「夢」の格好良い一文字!

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KAIRI(ビートボックス)

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KAIRIのパフォーマンスはぶっ飛びました!!

ループ機能を活用したサンプラーによる多重奏や、特筆すべきは、ヒューマンビートボックスのレベルの高さ。度肝を抜かれました。

こんなに一人の口でライブ感が出せるのかと。ビートボックスの大会で3度優勝されているそうです。

Lemna + VJ2049

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個人的に開場時から、ずっと楽しみにしていたのが、Lemna。

大ファンのアーティストです。

外見のcuteさからは、想像できないほど深くてエッジの効いたサウンドは唯一無二。

今回もののけ祭りのために特別にcreationされた楽曲は「Five Element」というタイトルです。

戸隠の豊かな自然からインスピレーションを受け、五大元素・地水火風空をイメージして作られたそうです。

もう本当に最高でした!!

段々と盛り上がっていくにつれて、踊り出す人が続出でした。

動画は特に高調しているシーンから。

Lemnaの楽曲が凄いのは、単にノリが良いだけではなくて、聞いていると脳細胞の奥に染み付いているような様々な感情や記憶がリリースされる感覚が自然と湧き起こってくること。

昔のことや、大切な人生の時間、そして将来のこと、ビジョン。

ハートがこれほど動かされるのは、きっとご自身が深い体験・体感をされているからだと思います。

哲学的であり、数学的であり(フィボナッチ数で進行する曲もある)、神話的な世界観が漂っています。

これほど複雑なバックボーンで構成しつつも、すんなり入っていける楽曲を作れるのは、よほど自然界と人間に深い洞察をされているからだと私は思いました。

初ライブ参戦に感謝!!

一日目のアメノウズメの新月祭を振り返って


戸隠神話「天岩戸伝説」の世界観が見事に表現された1日目だったと思います。

この辺りの神話を祭りのバックグランドとして、総合演出の腰塚さんがインスピレーションを受けていた様子はBARKSでのインタビュー記事に詳しく掲載されています。是非ご一読を。

▶【インタビュー】<もののけ祭り>「革新的な表現を行う伝統芸能、音楽、造形のアーティストが集うまったく新しい唯一無二の祭り」

しなやかに祭りは始まり、徐々にボルテージが上がり、最後はシャルマンの中で参加者が踊り続けた夜。

神話をメタファーと捉えるか、はたまた、史実性の真贋を探求するかどうかはさておいても、もののけ祭りの不思議なほどにパワーの満ちた時間・空間は、参加者のおのおのの心の叫びを、これまでにないほど、引き出す場になっていたのではないかと思います。

長野最北端の戸隠、やがて大波になるような濤声が産まれた気運を感じつつ―――。

アマノウズメノミコトの化身の如く、騒ぎに騒いだ参加者によって、本当に岩戸からアマテラスオオミカミが「おや?」と出てくるきっかけが生まれたかもしれませんね。

1日目だけで既に疲労感は相当ですが、2日目への期待感は高まるばかり。

記事は、「第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その弐〉〈その参〉」へ続きます。

▶第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その弐〉

▶第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その参〉

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ここのえ店主 水谷 翔

ここのえ店主水谷 翔

長野県北部戸隠で花豆栽培を中心とした農業を営みながら、農業体験ができる農家民泊、自家菜園や近隣の地区で採れた地のもの、旬のものを使った農カフェを運営しております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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