ここのえブログ

地に響くEARTH RESONANCE

第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その弐〉

2019/09/05

LIFE WITH NATURE

2019/09/05NEW

第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その弐〉

二日目アメノタヂカラオの太陽祭 大団円(飛入り共演)

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人間とアルヂュナとの対話

人間

先達の歩んだ道をああでもなく、こうでもなしと迷いつつ追った。求真の道がいかに狭く、険しく、寂しいかを知った。上に登っていくということは恐ろしいことだ。わたしは先達者の戦慄が分かる。だが、高さがあるかぎり、登りつづけなければならない。

アルヂュナ

下界の騒音が遠い野原で遊んでいる子供たちの叫び声のような別世界のもののように聞こえてくる高さまで登ってみよ。
一輪の花も、一箇の実も、存在の胎内から苦しみをもって生み出され、長い労苦に満ちた成長期を経て、生きることの厳しさに耐え、環境と苦闘し、開き結ぶ。人各々の内的世界の風景は異なる。しかし、人間も始めに怪物と混沌を宿し、苦悩を経て、星辰の秩序と調和に達するのである。
方向感覚がないと、人間は三半器官を欠いたこまねずみのように同じところを廻り出すのだ。それで、わたしは、いくたびもお前に呼びかけて、わたしの居場所を教えてきた。

(中略)

人間

それならば、偶然も必然も共に化して、創造にまで高めよう。

(中略)

アルヂュナ

「時」の車輪を追わずに行動せよ。「時」の車輪は出発したところへ戻ってくるものであり、行動は無行動にまさるから。
その成否にかかわらず行動せよ。それが創造的行動である。

「人間―幻像と世界」第四部 精神界(時間停止の世界) 山縣三千雄

もののけ祭りを成功に導いたやぐらの威力


もののけ祭りの象徴とも言うべきやぐら。

国のプロジェクトで億単位の予算をかけて復元された三内丸山遺跡のやぐらを彷彿される迫力。

誰もが会場に入り、やぐらを見ると驚かずにはいられませんでした。近距離で見ると、他を圧倒するパワーがあります。

周囲4本の巨大な柱は、戸隠の柵地区の山野から切り出されました。樹齢は約70年。

下の写真はやぐらを設置する前の下準備の様子です。この時点で既にインパクト大でした。

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御柱と言わんばかりの四方に建てる柱の隣に私が立つとこんな感じです。デカい!!

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やぐら設計士のNao Hayaさん。もののけ祭りをバックで強力に支えた功労者です。

Hayaさんがいなければ、やぐらは立たず、祭りにこれほど大きな感動はなかったでしょう。

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たった2日間の祭りのためにこんな巨大な舞台をつくる。

普通に考えたら誰もが躊躇する選択肢です。

しかし、突き動かしたものは何か。

それは、志だったと思います。

痛みと苦労を伴って上昇を目指す強靭な精神を宿す方には拍手しかありません。

やぐらは、設計者のHayaさんと総合演出の腰塚さんを始め、成功を願い駆け回ったメンバーの志の体現だったと思います。

それにしてもやぐらの上からの眺めは壮大でした!

下は2日目の切腹ピストルズの演奏中にやぐらに登って戸隠連峰を撮影した写真です。

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アーティストの方々も、やぐらの上で気持ち良くパフォーマンスに取り組めたことだと思います。

やぐらが音の増幅装置となり、位置的に戸隠連峰が反響板の役割を担っていたのではないでしょうか。

だからこそ祭りの最中に次々と感動シーンが生まれたのかもしれません。

やぐらがもののけ祭りの成功に大きく寄与していたことは誰の目にも明らかだったことでしょう。

お疲れ様でした、Hayaさん!

★切腹ピストルズの演奏中にやぐらの上でさわぎ舞うもののけ祭り実行委員会のメンバー

祭りはこうでなくっちゃ!

8/5 もののけ祭りに先駆け開催されたやぐら建立祭


縄文時代は、現代人の感覚では考えられないほど、巨大な構造物を人力で建てていたと言われています。

昨今、環境循環や生き方の視点からも縄文文化に興味を持つ人が増えています。

縄文の世の中は、平和だったと一般的に言われることが多いですが、それは決して楽な生き方、楽しいだけの生き方だった訳ではないと思います。

厳しい自然環境を相手に、調和を目指し、日々鍛錬の連続だった様がうかがえます。

循環生活や自然資源を活かした生き方は、聞こえは良いです。しかし、私達も少なからず里山暮らしにエッセンスと取り入れようと努めていますが、実際に実践しようと思うと、様々な面で非常に大変です。一筋縄で行きません。

スピードの早い現代社会だとなおさらのことだと思います。

それでも、縄文を求める人は増えている。

一体どうしてでしょうか?

もののけ祭りは、こうした根本的な疑問にも応えるヒントを沢山生み出してくれたように感じます。

100年ほど前までは地域社会での協力体制があり、茅葺屋根を一緒に葺いたり、巨大な梁を縄とテコの原理を上手く活用して建てていたようです。

現代ではほとんど当時の風景は消失しています。

原点回帰の想いからか、喪失感の埋め合わせか、理由は人さまざまでしょうが、縄文を求める人は明らかに増えており、関連書籍も多数出版されるようになってきています。

さて、8/5に開催されたやぐら建立祭。

現代でこの巨大なやぐらを人力で立てる体験をしてみようと、重機の力を借りつつ、一部人力でアプローチしました。

その様子をちょっとご紹介させて頂きます。

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▶やぐら建立祭の動画での様子 もののけ祭りFacebook公式アカウントより

もののけ祭りをそれたらしめた迫力ある造形と意匠の凝らされた装飾品


もののけ祭りの会場に設置された意匠が凝らされた造形物や装飾品の数々。

これほどアートと音が絶妙にマッチした空間は類を見ないのではないでしょうか。

アートが大好きな私は終始興奮しっぱなしでした。

しかも、魅力的なアーティストやミュージシャンの方々と祭りで出会い、ご縁が生まれました。

そう、祭りは新しい出会いとご縁が生まれる場でもあります。

それも波長が近く、ベクトルが似ている人達。

志とビジョンは言葉を沢山交わさずとも、伝わる人同士は伝わります。

それだけでも参加する価値が高いと思います。

祭りという存在は、人の予想を超えた喜びとギフトをもたらしてくれる最高のシステムだと確信しました。

渡辺拓也(茅葺き職人)×マーク(木工職人) 茅葺きドーム

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美しい幾何学構造のフレームに茅葺屋根が乗せられています。

アートによる住空間は、見ていても、中に入っても心地良さが広がっています。

大きさは異なりますが、Amazonの新ビルを彷彿させます。

自然循環資材をベースとした次世代の住まいに益々注目が集まること間違いなしです。

渡辺さんは戸隠、マークさんはお隣りの飯綱に住み、建築関係の仕事と創作活動に取り組まれています。

もののけ祭りでお二人のエネルギーが凝集しました!

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Noriaki Tanimura 墨絵による妖怪をモチーフにした旗

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この緻密な妖怪絵が墨絵だと信じられません。

近くで見ると息を飲むような美しさでした。

もののけ祭りの全体イメージに大きく寄与されていました!

谷村さんは世界的なデザイン大会で何度も賞を取られていて、これから間違いなく活躍の場を広められるでしょう。

ご本人は物腰柔らかでアイデアは縦横無尽の素敵な人柄の方でした。ご縁に感謝!

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能勢聖紅 × 造形集団某 もののけファイヤーモニュメント

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もののけ姫のシシ神様を思わせる高さ約3mのモニュメント。

二日目の最後には炎が灯り、天に昇ります。

その様子は、次の〈開催レポート参〉の記事で詳しくご紹介させていただきます。

下は会場入り口に設置されたスピリチュアルゲートです。

戸隠の中学生とコラボレーションして作られました。

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淺野健一(彫刻家) オーパーツ

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やぐらの設置されたメインステージの後方に設置された巨大な作品。

なんだこれは!?とびっくりされた方は後を絶ちません。

夏の戸隠スキー場の草原に大地に突如現れた叩く巨大な拳により、アマノタジカラオの岩戸投げのシーンが頭をよぎりました。

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岸壁にとぐろを巻く龍の絵。

これを書かれたアーティストはどなたかわからなかったのですが(ごめんなさい)、ずっと見とれてしまうパワーと魅力がありました。

戸隠の神話の世界観にピッタリの絵でした!

会場の人達の喉の渇きを潤し、胃袋を旨い!で満たした飲食ブース


SUNTORY オフィシャルジンブース

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お洒落なアルコール、ノンアルコールの飲み物が沢山提供されていました。

戸隠産のブルーベリーがジンの中に入り、透明なジンが少しずつポリフェノールの色で鮮やかに変化していく様子を楽しまれた方も少なくなかったはず。

戸隠野菜スリランカカレー

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スリランカカレーを作られていたOta Natsukiさん。

「絶品だから食べて来て!」と会場ですれ違う友人知人から声をかけられ、私達も食べにいきました。

残暑の戸隠高原で、晴れた日にスリランカカレー。最高すぎました。旨い!!

かつお食堂

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かつお食堂さんは以前TVで拝見したことがあり、いつか食べてみたいと思っていたら、もののけ祭りのために東京から出店されると聞き、何という幸運!

戸隠野菜をお使いくださった料理と、風味の良い鰹のお味噌汁に香りの面でも満足しました。

特に北海道産のお麩を贅沢に使われた味噌汁が絶品でした!

戸隠の高校生がその場で打つお蕎麦に旅する天ぷら屋(東京)のコラボ

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多くの参加者の胃袋を満たした戸隠の高校生によるその場で打たれたそば。

そば打ちを初めて生で見た方は感動されたことだと思います。

そばが大好きな私は2日間で3回も食べてしまいました。

そして、そば提供ブースの隣で天ぷらを揚げていたのは、東京から参加の旅する天ぷら屋さん。

戸隠産のオカヒジキを使った天ぷらは絶品で大満足でした!

農業に取り組む私は、県外から参加される飲食ブースの方々と共に生産者さんや直売所をご一緒したのも良い経験と思い出になりました。

戸隠の野菜を地域のアプローチとは異なった方法で美味しく仕上げられていたのも、良い刺激と学びになりました!

農と食を通じて、地元住民と地域外の料理人達のコミュニケーションも盛んになることも素晴らしい祭りの波及効果だと思います。

飲食は他にも魅力的なブースが数多く出店されていたのですが、全てを写真におさめる余裕がなく、ご紹介はこれくらいにさせていただきます。

開催レポート〈その弐〉を振り返って

パフォーマンスが「時間」軸だとすると、やぐらや造形物・装飾品や飲食は「空間」軸の色が濃いのではないでしょうか。

感動が最高潮に達する瞬間のためには、時間と空間の両輪が絶妙にマッチすることが要諦。

記事を振り返っていて、改めてもののけ祭りという創造的作品の面白さに気づかされました。

次の開催レポート〈その参〉では、盛り上がりが最高度に達した二日目アメノタヂカラオの太陽祭のオープニングからフィナーレにかけてまとめます。

▶第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その壱〉

▶第一回戸隠もののけ祭り 開催レポート〈その参〉

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ここのえ店主 水谷 翔

ここのえ店主水谷 翔

長野県北部戸隠で花豆栽培を中心とした農業を営みながら、農業体験ができる農家民泊、自家菜園や近隣の地区で採れた地のもの、旬のものを使った農カフェを運営しております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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