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全米で最も予約の取れないレストラン「シェ・パニース」は人のぬくもりと物語を次世代に伝える

2020/04/20

MACROBIOTIC SIDE

2020/04/202020:04:20:20:30:00

全米で最も予約の取れないレストラン「シェ・パニース」は人のぬくもりと物語を次世代に伝える

カリフォルニア大学バークレー校からシャタックアベニューを北側に約15分歩き、ゆるやかな丘の上に「シェ・パニース(Chez Panisse)」というアメリカを代表するレストランがあります。

"全米で最も予約の取れないレストラン"と言われ、世界中から「素材が生かされた本物の味」を楽しむべく来客が後を絶たないそうです。

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シェ・パニースには大きなシンボルツリーがあり、数百メートル離れていても場所がわかります。

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レストラン創業者のアリス・ウォータースさんはシェフでありながら作家・環境活動家の顔を持ち、約20年前に開始された食育の先駆的な取り組みである「エディブル・スクールヤード」は有名です。

その活動は世界中に広まり、食・農・教育・文化・伝統持続といった面で多大な影響を与えています。

現在お店はコロナウイルスの影響で休業中ですが、幸運にもカリフォルニア州がロックダウンする1週間前にディナーが叶いました。その日は予約で満席。入店開始時間からわずか10分ほどで予約客で店内は一杯となり、とても活気がありました。

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社会の急激な変化にさらされている世界情勢。あの時間は幻だったのか。1ヶ月前の出来事がはるか彼方に思えるような郷愁の感情がこみ上げてきます。

Living Legendで過ごした時間は2時間ほどでしたが、食事ができた喜びと空間全体からの刺激と感動が豊富にありました。

シャ・パニースとエディブルスクールヤードとは?

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カリフォルニア州バークレーに位置し、「カリフォルニアキュイジーヌ(料理)」の発祥と言われているレストランです。先見性の高いアリス・ウォータースさんのシェ・パニースは、契約農家の地元産の有機野菜、発酵食品、乳製品を主な原材料に使い、地産地消のモデルの構築にも大きな貢献をしています。

その日レストランから徒歩数分の場所でもファーマーズ・マーケットが開催されており、地域での善の循環を滞在期間中に体験できました。ファーマーズ・マーケットの立ち上げと発展にもアリスさんは大きく寄与されました。

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アリスさんご自身や活動について日本ではNHKの特番が組まれて「アリスの美味しい革命」として放送されたことがあるので、ご存知の方も多いと思います。

エディブル・スクールヤード(食べられる校庭)は生徒達で野菜を育て、土を作り、管理し、収穫し、調理する教育プログラムです。栄養学・植物学の基礎となる生きた知恵から、人間形成やコミュニケーション、チームビルディング等の要素も含まれ、世界中で導入され、高い評価と効果を得られています。

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アリスの提唱する9箇条

①持続可能な方法で、環境に配慮してつくられた物を食べるようにしましょう。

②旬のものを食べましょう。

③ファーマーズ・マーケットで買い物をしましょう。

④庭で野菜やハーブなど食べられるものを育てましょう。

⑤ものを大切にし、堆肥を作って、リサイクルしましょう。

⑥料理はシンプルに、五感を使うようにしましょう。

⑦みんなで一緒に料理をしましょう。

⑧みんなで一緒にご飯を食べましょう。

⑨食べ物は尊いものであるということを忘れずに。

アリスの美味しい革命 http://www.alicewaters.jp/ より

旬の食材を使ったコースメニューは日替わり

フードメニューは月〜土曜日(日曜定休)まで日替わりで、一種類のコース料理が提供され、時間はPM5時30分と8時からの2回転制です。シェ・パニースの入り口にはその週の料理概要と曜日毎のメニューが掲示されています。私達が食べたのは3月12日のディナーです。

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キッチンツアーの幸運な機会を!

THE KOKONOEのシェフであるMizukiが数日後からインターンとして受け入れて頂くことが決まっていたため、大変有難いことに短い時間ではありましたが、レストランの舞台裏をキッチンツアーで見せて頂きました。一流のお気遣いに感動し、日本から足を運んで本当に良かったです。

OPEN前は仕込みの大詰めで、それぞれの持ち場のシェフの皆さんが活気よく慌ただしく仕事を進められていました。

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店内は活気、優しさに溢れており、来店客への温かな言葉かけと対応が大変印象的。堅苦しく気取る感じでは全くなく、家族のようにむかえてくださったことが今でも肌感覚で残っています。こういう姿勢が本当の一流なんだと思います。

入り口やテーブル席の脇にも鮮やかなお花が生けられていました。

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渡米前から待ちに待ったコース料理を堪能しました

メニューの表紙の花柄が素敵ですね。

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ピーチシロップをスパークリングワインで割ったAn aperitifと天然酵母のパン(ACME BRED)。

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Mendocino rockfish fritter with Meyer lemon mayonnaise and radish salad.
(メイヤーレモンを使ったマヨネーズをかけたMendocinoのメバルのフリッターにラディッシュサラダを添えて)

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Asparagus risotto with crispy pancetta and Parmesan.
(クリスピーパンチェッタとパルメザンが乗ったアスパラガスのリゾット)

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James Ranch lamb roasted in the fireplace with green garlic and thyme.
(ジェームズ牧場の直火焼きのラム肉に若いガーリックとタイムを添えて)

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Candied kumquat ice cream and blood orange sherbet with tangerine granita.
(砂糖漬けのキンカンのアイスクリームとグラニータを添えたブラッドオレンジシャーベット)

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シェ・パニースのこれまでの物語を知って食べていると、一層のこと生産者・料理人・街・世界を旅しているような気分になりました。

旅や物語を味覚を通じて感じ、味わっているような感覚です。

何よりも素材の味が濃かったことが驚きで、美味しさに感動すると共に心が温まりました。

最後に

コロナインパクトによりカリフォルニア州もロックダウンは引き続き行われており、残念ながらレストランの再開の目処は立っていないそうです。

しかし、大変な社会情勢の長期戦が予想されている今だからこそBack to basics。

アフターコロナの時代に向け、伝統的な調理方法の継承や地産地消による無理がなく関わる人達の顔が見える流通形態を築き上げたシェ・パニースの方針、そして食育の大切さを農場運営を通じて伝えてきたエディブル・スクールヤードから学び考えるべきことが多いと思います。

不思議なめぐり合わせとタイミングに感謝をしてー。

必ずもう一度食べに伺いたいと思います。

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(補足)バークレーのファーマーズマーケットとエディブル・スクールヤード等の様子

実際に現地に足を運び、見て感じてまとめたシェフのレポートです。

▶︎【Chez Panisse インターンシップ〔Part1〕】バークレーのファーマーズ・マーケット

▶︎【Chez Panisse インターンシップ〔Part4〕】食育の草分け的存在 エディブル・スクールヤード

▶︎【Chez Panisse インターンシップ〔Part5〕】バークレーの老舗 オーガニックスーパーマーケット①

▶︎【Chez Panisse インターンシップ〔Part6〕】バークレーの老舗 オーガニックスーパーマーケット②

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ここのえ店主 水谷 翔

ここのえ店主水谷 翔

長野県北部戸隠で花豆栽培を中心とした農業を営みながら、農業体験ができる農家民泊、自家菜園や近隣の地区で採れた地のもの、旬のものを使った農カフェを運営しております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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