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【Chez Panisseインターンシップ〔Part.2〕】緊急帰国とご報告2020/03/20

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2020/03/202020:03:20:07:29:10

【Chez Panisseインターンシップ〔Part.2〕】緊急帰国とご報告

Chez Panisseのインターンシップで渡米していましたが、コロナウィルスの影響で一時閉店となり、現地時間の3月18日に帰国しました。

大変ショックなことですが、リアルな現場・現実で学ぶべきこと・考えることが多く、またとない貴重な体験となりました。
 

3月18日時点での情報となりますが、リアルなカリフォルニア州のベイエリアや飲食業界の状況を今回はシェアしたいと思います。

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↑閑散としている空港の様子。

外出禁止令の発令によるレストランへのダメージ

インターンシップ先のChez Panisseの一時的な閉店は、カリフォルニア州の新しい条例で、バーやナイトクラブ、ワイナリーは閉鎖するように要請が出たからです。

また、ニュースでもおなじみの通り、サンフランシスコのベイエリアでは、16日に不要不急以外は外出を認めない刑罰付きの外出禁止令が発令されました。

週末に感染者が倍増したことで、これらの条例が急に発令され、とにかく人が多く集まる機会を作らないようにしたものです。

厳密に言うと、この条例ではレストランは営業の縮小を呼びかけられているにとどまり、閉鎖しなければいけないわけではないのですが、多くのレストランがウェイティングバーを併設していることや従業員の健康面も考慮し、営業自粛している経緯があります。

18日の段階で開いている飲食店はほとんど見当たらず、数件のケータリングやテイクアウト専門店だけのようですが、それらが閉店するのも時間の問題のようです。なぜならば、材料の供給先もストップしているからです。

この外出禁止令で、スーパーは食料品を買い込む人で溢れ、入場規制が行われていました。

私とシェアメイトは、日系オーナーが営む質の良いオーガニックのスーパーに入ったのですが、お会計は1-2時間待ちでした。

これは、クリスマスや感謝祭(サンクスギビング)の時以上の混雑とのこと。

トレーダーズジョーやセーフウェイなどのいわゆる一般的なスーパーの棚には何もない状況でした。

少し前に日本でもトイレットペーパーの買い占めがありましたが、ここアメリカでもトイレットペーパーの買い占めが起こり、牛乳(こちらの人は、ガロンサイズで常飲する人が多いので)がない!とパニックする人も多かったようです。

私たちは、レストランが在庫食材を従業員に無償で提供してくれる機会があったので、野菜や果物、キノコ類等を持ち帰ることができました。

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↑この日のギブアウェイでもらってきたブラックトランペットというキノコ。初めて見ました。

コロナショックは911を超える停滞感と経済損失を招く可能性があるのか?

飲食店の営業再開は最低でも4月7日以降と言われていますが、あくまでも目安であり、おそらく休業は長引くだろうと言われています。

仮に、再開が認められたとしても、食材の在庫がないので、仕入れから下ごしらえまで全てゼロから行わなければいけないため、すぐに営業することは難しいでしょう。

また、自国や地元に帰宅してしまった従業員が戻ってこない可能性が高く、人手不足の中、営業再開を覚悟しなければいけません。たとえ、人手があったとしても、予約をキャンセルしたお客様が、アメリカでも感染者の多いベイエリアにすぐに戻ってくるとは思えない現実もあります。繁盛店でも元の状態に戻るには、数ヶ月かかるだろうと言われています。

これは経済的にも大きなダメージです。

レストラン経営者はもちろん、従事者も無収入になるということです。

待遇の良いところでは、休業中も賃金が支払われるケースがあるようですが、ほとんどは休業になった段階でお給料が支払われなくなり、事実上クビを意味します。そう、アメリカでは年間で契約している人以外、雇用と給与の保障はほぼありません。

レストランの料理人たちの雇用は、年間契約がほとんど存在しないので、有事には職を失うという覚悟が必要です。

トランプ大統領が経済的困難の企業に対して、100兆円の経済対策を予定していると発表がありましたが、まだ具体案が出ていないため、多くの経営者は今回のことは楽観的に捉えていません。

日本も自粛モードだと思いますが、WHOがパンデミックと発表し、イタリアなどでの感染者の以上な増加を見ればわかる通り、世界的に楽観視はできない状況になっています。海外からの入国が多いカルフォルニア州は特にそのように感じます。

特に、自国がダメージを受ける緊急事態の経験が少ないアメリカは混乱しています。911がありましたが、マンハッタンという小さな小さな半島のエリアで起こったことなので、アメリカ国民は皆心を痛め、悲しみにくれましたが、多くの人はニューヨークのその場所で実体験をしていません。

カナダとの国境も閉鎖され、これでニューヨークも外出禁止が発令されると、ストックマーケット(株式市場)は実質閉鎖となり、おそらく911と同じく経済がストップするだろうと言われています。

日本は、世界でも早い段階に感染者が発見された割には、増加数が少ないと思います。

それは、手洗いの習慣があること、うがいをすることに抵抗がないこと、マスクをする習慣があること、靴を脱いで家に入ることなどが挙げられると思います。

311を含め、多くの危機を経験していることで、有事に強い日本人、世界ではそのように評価されています。

本日、アメリカは現在3月19日ですが、日本を含む全世界の渡航警戒レベルを最も厳しいレベル4に上げ、渡航中止・退避勧告を勧告しています。

これから自粛モードがしばらく続くと思いますが、焦らずに毎日できることをやっていきたいと思います。

また、アメリカでの滞在経験や感じたこともブログでシェアしていきたいと思いますので、
引き続きおつきあいいただければ幸いです。

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THE KOKONOEシェフ 水谷 江希

THE KOKONOEシェフ水谷 江希

小中高をシンガポール・アメリカで過ごし、絵画修復士となるため奨学金を得てシカゴ美術館附属美術大学に合格。両親の都合で帰国し、筑波大学に入学。卒業後、外資系メーカーに入社し、プロダクトデザイナーとして働く。その後食の世界へと転身し、料理教室の開催・講師業を務める。2020年、シェ・パニースへインターンシップのため渡米。料理研鑽に励み、現在に至る

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