ここのえブログ

地に響くEARTH RESONANCE

なぜマメ科は生育が旺盛なのか?【根粒菌】

2020/01/22

MACROBIOTIC SIDE

2020/01/222020:01:22:22:00:32

なぜマメ科は生育が旺盛なのか?【根粒菌】

皆さん、こんにちは。

Kokonoeの水谷翔です。

今朝はかなり冷えましたね。

水道管には電熱線を巻いていますが、早朝は一部の蛇口から水が出ない程でした。

暖冬とは言え、冷え込みが厳しい日は定期的にやって来るでしょうね。

今日の話題はマメ科についてです。

flower-4674615_1280.jpg

半年前の夏にアカシアを植えました(写真はイメージ)。

定植時は1mほどだったのですが、その後、グングン成長し今では私の背丈をこえて2mほどになっています。

葉はしおれていますが、茎は冬の寒さに負けていません。

一般的にアカシアは生育が旺盛と言われています。

私がアカシアを植えた場所は土作りをした場所ではなく、むしろ日照条件が悪く、痩せ地です。

それにも関わらず他の樹木類に比べて遥かに生育のスピードが早いのです。

それはなぜなのでしょうか?


マメ科と共生する根粒菌の働きが成長に大きく貢献【窒素固定】


アカシアはちょっと意外かもしれませんがマメ科植物です。

正式にはマメ科ネムノキ亜科アカシア属です。

マメ科と言えば、私達が力を入れて栽培している高原花豆もマメ科です。

マメ科の数ある特徴の中でも、特に興味深いのが根粒菌と共生する点です。

通常、根粒菌は土壌中で生活していますが、周辺環境でマメ科植物の生育が始まると、根圏に集合し、根の内部に侵入した後に根粒形成を開始します。

そして根粒菌は大気中の窒素をニトロゲナーゼという酵素を使い、固定し、宿主植物に共生します。

この作用を窒素固定と言います。

肥料を与えなくとも植物は根粒菌が供給してくれる窒素によりドンドン成長していきます。

実はこのメカニズムを分子レベルで解明し、産業技術として再現可能な水準まで確立できれば環境問題をはじめ、経済・社会の面でも多々メリットがあると言われています。

なぜかと言えば、不活性な気体窒素を固体化するための化学合成では莫大なエネルギーが必要となりますが、根粒菌が産生する酵素や根粒形成及び窒素代謝関連の遺伝子の特定により産業技術イノベーションが実現できれば、エネルギー効率の改善と窒素化成肥料の過剰使用による水質の富栄養化という環境汚染改善等も期待できると言われているからです。

そのため、多くの科学者が様々な視点・角度から研究を進めています。

私もこのプロセスにはとても価値があると思っていまして、マメ科の花豆栽培やアカシアの成長観察により現場で着想を得ながら、学術知見の深化に努めています。

問題提起が視野を広げ、栽培の面白さを高めてくれます。

・根粒形成の遺伝子同定の知見は現場でどのように活かすことができるか?

・酵素ニトロゲナーゼの構造理解はいかなる可能性を生み出すことが可能か?

・代謝関連ネットワークを形成する遺伝子はどのような条件で発現をいかに変化させるか?

などなど疑問は尽きません。

現場ですぐに応用可能という訳にはなかなか行きませんが、問題提起を繰り返し、アンテナを敏感にしておくことが大事だと思っています。

農業の面白いところは、絶えざる問題提起により、環境・社会・経済へと守備範囲が拡大されていき、出会いとご縁が広がっていくことです。

ちなみに高原花豆の根粒はこんな感じです。根に付着した肌色の粒の部分です。

このコロニーが宿主植物に窒素固定による窒素供給を担っています。

CIMG9778b.jpg

21世紀は"魔法の世紀"と表現される方が最近いらっしゃいますが、科学的知見を深め、現場体験と共に自然界の理解が進めば進むほど、自然界が一番の魔法使いとの認識が強まります。

面白さと興味は尽きませんね^^

この感動を様々な方法でお伝えしていきたいと思っています。

今回は宿主植物・根粒菌・窒素の関係について、かなりざっくりの内容となりましたが、機会を改めて本命の高原花豆でメカニズムに詳しく迫っていきたいと思います。

SHARE
ここのえ店主 水谷 翔

ここのえ店主水谷 翔

長野県北部戸隠で花豆栽培を中心とした農業を営みながら、農業体験ができる農家民泊、自家菜園や近隣の地区で採れた地のもの、旬のものを使った農カフェを運営しております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

ここのえ

〒381-4102
長野県長野市戸隠
豊岡327