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食の安全神話と電子レンジ Part 2

2019/02/11

AGRICULTURE SIDE

2019/02/11NEW

食の安全神話と電子レンジ Part 2

Part 1では、健康や食に関する情報の正しい・正しくないは、結果的には自分で決めることなのではないでしょうか?、というお話をさせていただきましたが、それを強く思うきっかけは、最近、電子レンジの調理で思うことがあったからです。

ことの発端は、体を壊している父が、電子レンジでチンしたものを受け付けなかったことです。

私が最近実家に帰省した時、都内の高級中華料理店の飲茶(点心)の珍しい冷凍食品があるからお昼に食べてみよう、ということになり、7種類程の点心をチンして食べることになりました。蒸篭があれば良いのですが、残念ながら実家にはなく、やむなく電子レンジで。チンする係は私。できたものから、温かいかいうちに先に父に食べてもらっていました。

途中、私もつまみ食いしましたが、味そのものは高級中華だけあって、冷凍食品にしてはなかなかだったと思います。

しかし、しばらくすると、父が「もういい」と言い出し、食べるのをやめてしまいました。

この日、父はお腹をすかして、自分からリビングにやってきて、お昼はまだか?と催促していたほど。

母が「お腹いっぱいなの?」と聞きましたが、「違う」とのこと。

拒否した本人も、なんだか不思議な顔をしていました。

これは、もしかして電子レンジ??と思い、「それって体に入らない感じなのかな?食べた時のエネルギーが違うって感じ?」と聞いたら、「そうだ」とのこと。

このやりとりを聞くと、一般の方々は「何?スピリチュアル系なの??」と思われるかもしれません。

しかし、このやりとりは、私の業界(マクロビオティックや自然に寄り添うライフスタイルを主体としている人々を指します)の方であれば、ピンとくるポイントなのです。

なぜならば、前出の業界では、電子レンジでの調理は安全ではないというのが通説であり、また、マクロビオティックでは電気調理器は陰陽の観点から見ると偏っているものなので、お勧めしていないという現実があるからです。

(故に、体を壊している父が電子レンジで調理したものを出したと私の業界で言えば「あなたは一体なんてことをしているのだ!」と言われて当然であり、人によっては怒るかもしれない出来事です)

忙しい現代人にとって電子レンジはこの上なく便利な文明の利器です。

ですから、これまで文明の利器を享受していながら業界に足を踏み入れたばかりの人々や、業界内で飲食店業務に携わる方々が、電子レンジが使えないということに一度は衝撃を受け、時には絶望し、本当なのかと悩み、足を止めるポイントでもあります。

では、なぜ、電子レンジの使用が懐疑的と言われるようになったのでしょうか?

その理由の1つ。

ペレストロイカ以前のロシア(つまりソ連)で、電子レンジの使用が禁止されていた、という情報が出まわったことから始まります。今でもネットで多く見ます。

また、禁止された理由は、電子レンジから発せられる電磁波によって食品の栄養価が壊れたり、分子構造がおかしくなる、胃癌の可能性が高まるということが通説となっていました。

ただし、これはあくまでも健康に関心がある人々の世界で通説となっているお話です。

というのも、この話は「そのような事実はない」、と主張する情報も同じくらい多く出回っています。

私自身、偏ったものの見方ではなく、ぐるっと見回してバランスのとれた見方をしたいと思っています。

そして、できればサイエンスの視点から見ても、フラットに判断したいと思っているのですが、今のところ、このトピックに関してはグレーゾーンの部分が多いように感じています。

残念ながら、私は科学者ではありません。自分が探せる情報から判断する以外に方法はありません。

そして、このトピックに関する信憑性がグレーゾーンと私が判断する理由は、誰もが科学的に納得できる確固たる論文(発表)がないと感じるからです。

もしそのような論文が存在し、危険であることを証明していたとしても、多くの人の目につくところに情報がない理由はありそうです。

なぜなら、電子レンジのマイクロ波の研究開発や市場での推進を勧めている組織がアメリカに存在しており、活動に不利になるような情報に対しては、否定的な情報を被せているか、差し押さえている可能性もゼロではないでしょう。

こういったロビー活動は、経済社会に生きている以上、抑え込むことができないものです。電化製品の製造会社は製品を売りたいわけですから、自分たちのメリットになることを謳い、デメリットは言わないのは至極当然のことです。(故に、消費者が賢くならなければいけないという側面もあります)

論文の件。厳密に言うならば、存在はしています。

その1つで、私が個人的に興味深いと思った内容をご紹介します。

1992年にスイス・ベルンの生物学者ハンス・U・ハーテル(ヘーテル?)博士が発表した論文です。

論文を見てびっくりし、興味深いと思ったのは、彼が選んだ被験者とその条件です。*1

被験者はなんと2ヶ月間厳格なマクロビオティックの食事を続け、それらを電子レンジでチンし、食べ続けたのだそうです。

この実験結果をざっくり言うと、被験者の血液検査を行ったところ、ガンの初期症状と近いものが見受けられたということでした。

博士が科学者でありながら、私と同じ業界の人であったのか不明ですが、この情報を元に、私の業界で「電子レンジは危険」説を大々的に謳ったのではないかと推測されます。

しかし、博士はこの論文を発表したところ、刑事罰を受けることになってしまい、言論の自由と基本的人権の侵害であるとスイス国家を相手取り、裁判を起こしています。*2(という記録は、小室圭さんで話題のフォーダム大学で発行・管理しているジャーナルで確認することができます。)

なぜ、このような興味深い結果を発表したのに、刑事罰を受けることになってしまったのか?

その理由もいろいろあるようですが、実験の規模があまりにも小さく、論文としての信憑性が認められなかったことに起因すると思います。

前出のマクロビティックの厳格な食事を続けた被験者の数はわずか8人。少なすぎます。。。

私個人的には、予算がなさそうな中で8人を2ヶ月拘束はよくやったな、とは思います。

(どうやら博士は、大規模実験のための費用のサポートをスイスの国家基金に依頼していたようでしたが、「そういった実験は必要ない」という理由で断られてしまったという経緯もあるようです。実験をしたくてもお金がなければできない実情、そしてそれらの予算を国から得るのも大変なことなのです。。。)

しかしながら、博士の小規模実験で得たデータでは、電子レンジの危険性を市場にぶつけ、風穴を開けるには、科学の世界においては不十分で、脆弱だったということではないでしょうか。

博士たちは、きっと純粋に世の中の為になることをされたかったと思います。けれども、向かうところが大きすぎ、握りつぶされてしまったのかもしれません。なんだかロビー活動が行われている匂いがプンプンがしつつ、世知辛い話でもあります。

だからこそ、大きいものには、大きく立ち向かう必要があります。そのために数多くのデータを取り、信ぴょう性をあげること、多くの仲間や、必要なところにコネクションを持つこと&作ることが重要なのだと思います。

以前のブログで、アメリカでベストセラーになったコホート研究の本の話をしましたが、それは被験者12万人を動員したプロジェクト。そこまでのデータの蓄積がなければ、国家やそれまでの常識を揺るがすことはできないということです。

こういった結果は、1つの見方や判断材料として、「どんなに人数が少なくても、出た結果は結果である」と捉えることもできます。しかし、より多くの人々を説得する材料にはならないということになってしまうのです。

表が大きければ裏もまた大きい」

マクロビオティックでいうところの陰陽の法則ですが、その通りなのです。

私たちが享受している便利な文明の利器や知識は、裏も大きいのです。それを覆すのは大変なことであり、多くの科学者が様々な分野でそのために奮闘していることも頭の片隅に入れておかなければいけません。

ですから、電子レンジの安全性に関する真実は、専門家以外の人にとって日常生活レベルで判断することは困難ではないかというのが現状だと思います。

そして、このブログの冒頭に戻りましょう。

そんな電子レンジの安全性の真実は不透明ですが、父がとった生体的拒否反応。

これもまぎれもない事実です。

「エネルギーがおかしい?そんなバカなことを言ってないで、ご飯を食べて頂戴!」

と言うか、

「そうなんだね。じゃあ、食べなくてもいいんじゃない?」

と言うか。

皆さんは、どちらの選択をするでしょうか?

それが1つの分かれ道だと思います。

しかしそれも、こういった経験をしたからできる選択であって、「おやっ?」と思う経験がなければ、一生気づくことすらないでしょう。

世の中には「知らない権利」や「鈍感力」というものも時には必要かもしれませんが、私個人の感覚として、こういったことに触れているか・いないかで、人生の選択は変わると思っています。

なぜなら、私の人生もこの積み重ねで180度変わったからです。

電子レンジは絶対に使ってはいけない!!!という情報にがんじがらめになり、それに振り回されるよりも、

毎日電子レンジでチンして食べることや体調が悪い時は控えた方が良いのかも?

どうしても忙しい時やオペレーション的に厳しい場合は、たまには使っても良いのではないか?

という柔軟で健やかな判断がストレスなくできた方がより良いと私は考えるからです。

今回、電子レンジのネガディブ要因の話が多かったですが、次回は、ちょっとポジティブ要因をご紹介できればと思います。

長くの連載になっていますが、ご興味がありましたら、引き続きお付き合いください^^

(*1と*2に関する情報元やサイトは、こちらでリンクに出しませんが、ご希望であればお教えいたします。全て英文になりますが、ご一報ください。)

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ここのえキッチン 水谷 江希

ここのえキッチン水谷 江希

戸隠で農家民泊とオーガニックカフェのキッチン担当、時々おかみ。自家菜園や地域の安心安全・新鮮な旬の野菜を中心とするお食事を提供させていただいております。自家製発酵食品や伝統食も勉強中しながら実践中。このブログでは、食と健康に関する内容を掲載しています。

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