ここのえブログ

地に響くEARTH RESONANCE

山間部で生きる人は磊落豪遊ナリ

2018/12/14

MACROBIOTIC SIDE

2018/12/14NEW

山間部で生きる人は磊落豪遊ナリ

中国古典の呻吟語(しんぎんご)にこういう言葉があります。

"深沈厚重なるは、これ第一等の資質なり。磊落豪雄(らいらくごうゆう)なるは、これ第二等の資質なり。聡明才弁なるは、これ第三等の資質なり。"

明代の哲学者である呂坤(りょこん)によって書かれたもので、人間学を学ぶ人達の間では結構有名なフレーズです。

昨日、戸隠の人生大先輩の農業者の方々が忘年会でここのえにお越しくださいました。
(通常営業は11月末までで冬期休業に入りましたが、単発でのお食事会等のご予約は承っています)

皆さん本当に元気。エネルギッシュ。冴えたジョークに笑い声が絶えません。

すっかり私たちまでパワーを頂いたのですが、驚くのは皆さんの年齢です。

一番年下の幹事さんが80歳。

昨日ご自身で「私なんてまだまだペーペーで」とおっしゃっていました。謙虚すぎます。

年長者の方で85歳くらいでしょうか。

頭はクリアー。会話のスピードも結構早く、内容がウィットに富んでいる。皆さん車を運転して。

私たちのような移住者にも親身に接してくれ、意見・アイデアを進んで聞いてくださいます。

「それはイイと思うよ!頑張って」と。

凄いなぁ。

本草学者として有名な人物は?(※本草学:医薬に関する学問)

と言えば、やはり江戸時代の貝原益軒(1630-1714)かと思います。

著書「養生訓」は、今もなお日本人の養生法として親しまれている趣がありますし、食や農、東洋医学、薬草学等に取り組む人たちの間でもよく読まれていると思います。

養生訓には含蓄の富んだ数々の言葉が並びます。

"何事にも勤勉で努力すれば、かならず効果がある。たとえば、春にまいた種子を、夏の間によく養えば、秋の収穫が多いようなものである。ひとの健康についても同様で、養生の術を学び持続して実行すれば、身体壮健にして病むことなく、天寿をたもち長きをして、長く楽しむことは必然であろう。これは自然の理であって疑ってはならないのである。"

"山中で暮らしている人は多く長命である。古書にも「山気は寿多し」といい、また「寒気は寿(いのちながし)」ともいう。山中は寒いので、身体の元気を閉じかためて内にたもって外部にもらさないから命が長い。"

ご高齢になっても快活な皆さん、若い時からどんな工夫があったのでしょうか。

以前、遺伝子を専門に研究される方が興味深いことをおっしゃっていました。

「人間は歴史上、栄養リッチ状態にあるよりも、飢餓状態にあった方がずっと長い。栄養学的にギリギリラインだったとしても案外健康でいられるケースが多い。逆に栄養リッチ過ぎると様々な病気や不調に悩まされることが多い。それは、遺伝的な視点から見た時、人間が栄養リッチな状態は歴史上、ここ数十年くらいのことであり、その状態の経験値が少ないのです」

と。

「昔は物資が乏しく、食べられるものも限られていたんです」

と、山間部に昔から住む人から聞くことが多いですが、それが案外遺伝子発現に良い影響を与えていて、健全な肉体と精神を形成することに繋がっていたのではないか、そんな気がします。

皆さんに召し上がって頂いた料理は、働き盛りの方々にお出しする量と全く同じだったのですが、一番驚いたのは、90%近く完食されたことです。

消化器系の衰えも知らないようです。

やっぱり凄いなぁ、と。

人は気づいた時に行動するのが一番早いと言います。

食と農への行動は何年かしてきているつもりですが、果たして先人達の壮健な心身に追いつけるかどうか。

日々の農と食に留意し、自身で実験していく他ありません。

呻吟語が書かれた時代、呂坤は磊落豪遊さを第二等の資質として記していますが、晩年でも活発でジョークも冴えて笑いも絶えないような磊落豪遊さは、実は第一等とも言えるのでは、なんて思いました。

こういう皆さんの姿を拝見することが最も刺激になります。

年の瀬で慌ただしく、外は氷点下の寒い中、お越しいただき、本当にありがとうございました。

そういえば、活発で磊落豪遊と言えば、本田宗一郎さん。

Youtubeで映像を見ることができます。

「若い人は夢を持たなくっちゃ!」と情熱的に目を輝かせて話される姿。

晩年でも輝きを失っていません。

とても素敵だと思います。

"The Power of Dreams"

※本記事のトップ画像は2年半前の戸隠での御柱祭りの様子。地域が一丸となり老若男女、活気漲る時間でした。

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ここのえ店主 水谷 翔

ここのえ店主水谷 翔

長野県北部戸隠で花豆栽培を中心とした農業を営みながら、農業体験ができる農家民泊、自家菜園や近隣の地区で採れた地のもの、旬のものを使った農カフェを運営しております。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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